布ナプキンとハーブウォーターでデリケートゾーンのかぶれ・においを防ぐ
生理中に、デリケートゾーンのかぶれやにおいを気にしている方は多いのではないでしょうか?今回は、布ナプキンを使うことで、かぶれやにおいを防ぐことができる理由と、ハーブウォーターを使った、かぶれケアの方法をご紹介します。
かぶれ・においが起きる原因は「ムレ」
デリケートゾーンに、かぶれやにおいが起きる最大の原因はムレです。生理期間中は、経血が染み込んだナプキンがデリケートゾーンを覆い続けることになります。こまめにナプキンを替えたり、経血をシャワーで洗うことができれば良いのですが、さまざまな理由から、長時間、同じナプキンをつけていなくてはならないことはよくあります。たとえば、眠っている時は、長い時間、ナプキンを交換できない状態になります。
長時間、同じナプキンを使用しなくてはならない時に、重要になってくるのが、ナプキンの通気性です。テレビCMなどで、紙ナプキンの通気性をアピールしているのは、かぶれやにおいを改善するには、ナプキンの通気性をアップすることが鍵だからです。CMを見る限り、紙ナプキンの通気性はどんどん進化していますが、まだまだ生理のたびに、かぶれやにおいを気にしている女性はいるだろうと思います。
通気性が良い布ナプキンを使えばムレにくい
私自身も、特に暑い季節になるたび、生理中のかぶれとにおい問題に悩んでいたのですが、布ナプキン生活に変えてから、においやかぶれを気にすることは、ほぼなくなりました。布ナプキンを使ってみるまでは、「においもれとか大丈夫なのかな…」と不安だったのですが、実際は、紙ナプキンと比べて、だんぜん悪臭がしません。同じ時間、ナプキンを当てていた場合、布ナプキンの方が、においもかぶれも出にくいことを実感しています。
布ナプキンは、防水布が縫い込んであるタイプであっても、紙ナプキンと比べて通気性が優れているように感じます。下着と同じで、コットンでできているナプキンは、よりいっそう肌当たりが柔らかく、ムレがおきにくいようです。
布ナプキンは、通気性が良いからといって、経血が漏れやすい訳ではありません。経血の漏れやすさは、紙ナプキンと同様、経血量に合わせたサイズの布ナプキンを使うことが重要なポイントです。
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デリケートゾーンがかぶれにくい習慣とは?
生理中のデリケートゾーンは、ナプキンに閉じ込められた経血で、常に肌が湿っている(ふやけた)状態になり、ダメージを受けやすい環境にあります。通気性が悪い場合は、雑菌が繁殖しやすくなり、においが発生する原因にもなります。
これを防ぐためには、こまめにナプキンを交換することの他、シャワーで洗った後に、きちんと水分を拭くことがポイントになります。トイレで、温水シャワーを使って清潔にすることを心がけている方は多いと思うのですが、ペーパーで水分を吸い取り、しっかり乾かしてからナプキンをつけないと、肌に残った水分がムレにつながってしまう可能性があります。ごしごし拭くのではなく、ペーパーにそっと水分を吸い取らせてから下着やナプキンをつけることで、デリケートゾーンをムレにくい環境にすることができます。
デリケートゾーンのうち、膣(粘膜部分)は酸性に保たれることで細菌の繁殖を抑えています。石鹸の多くはアルカリ性なので、粘膜部分を石鹸で洗いすぎると、pHがアルカリ性に傾いて、バリア機能が弱まります。清潔にしようと思って、シャワーで洗いすぎることで、膣にいる常在菌が失われて、バリア機能が低下するケースもあります。デリケートゾーンは、アルカリ性の石鹸(ボディソープ)を使わず、やさしい水流で洗うのがおすすめです。
ハーブウォーターでデリケートゾーンを清潔に保つ
デリケートゾーンがかぶれてしまった時のケアとして、ハーブウォーターを使って清潔に保つ方法をご紹介します。ハーブウォーターは、エッセンシャルオイルを蒸留する時に採れる、植物由来100%の香り成分が溶け込んだ水のことです。ハーバルウォーター、フラワーウォーター、ハイドロゲル、芳香蒸留水など、さまざまな呼び方がありますが、ハーブの素晴らしい香りがすることと、エッセンシャルオイルと同じようにセラピー効果を持っているのに、エッセンシャルオイルのように薄める必要がなく、肌に直接使うことができる手軽さがあります。
人間の肌は弱酸性(pH4.5~6くらい)が健康的なpHとされており、ハーブウォーターは人間の肌に近いpH(弱酸性~酸性よりの弱酸性)を示しています。水道水は中性~弱アルカリ性で、味や健康面を含めて飲用に適したpHですが、女性の膣粘膜は酸性です。かぶれやかゆみといったトラブルが起きている時は、弱酸性のハーブウォーターでケアすることで、膣は健康的なpHに保たれやすくなります。
* 普段は、水道水でデリケートゾーンを洗っていて、まったく問題がありませんが、かぶれなどでダメージを受けている時は、pHを意識しながらケアしていくことが大切です。
ハーブウォーターはコットンにたっぷり染み込ませて、トイレ後やシャワー後に、外性器や膣の周りをやさしく拭くようにして使うと良いです。スプレーボトルに入れておけば、外出先のトイレでも使えます。下着やナプキンは、ペーパーかタオルでハーブウォーター(水分)をオフして乾かしてから身に着けるようにすると、ムレ問題も解決できます。
ケアにおすすめのハーブウォーター
デリケートゾーンのケアにおすすめのハーブウォーターを紹介します。
ハーブウォーターは、エッセンシャルオイルと同じで、ハーブによって成分が違います。ここでは、入手しやすく、香りにもなじみがあるハーブウォーターとして、ラベンダー、ローズ、カモミールの3つを挙げます。
ラベンダーウォーター(pH3.9~5.8)
ラベンダーウォーターは、ラベンダーのエッセンシャルオイルと同じく、炎症を鎮める効果があると言われています。カンジダ菌の繁殖を抑える効果があり、すべての肌質の人におすすめできる人気のハーブウォーターです。ヨーロッパでは、赤ちゃんのおむつかぶれのケアにも使われており、親子で使うことができることも魅力です。
ハーブやアロマテラピーのブランドごとに、少しずつ香りの雰囲気は違いますが、ラベンダーの温かみのある香りが心地よく、日焼け肌のほてりをケアしたり、肌が乾燥した時にシュッとミストして使ったりもできるので、一本あると重宝します。
ローズウォーター(pH4.2~6.6)
バラの花そのものをイメージさせる、芳醇な香りのハーブウォーターです。カンジダ菌の繁殖抑制効果があり、収れん作用で肌のハリを出してくれます。ローズの香り成分のうち、バラの華やかさを持っている成分が水に溶けやすいため、エッセンシャルオイル(油)よりもハーブウォーター(水)の方がバラらしい濃厚な香りを出すこともあります。ローズウォーターを髪に吹きかけて使うと、自分だけがわかるくらいの、かすかな残り香を楽しめます。アンダーヘアのケアにもおすすめです。
ローズのエッセンシャルオイルは、1万円以上するものが多いですが、ハーブウォーターは、お手頃価格(1000円くらい~)で購入できます。天然ローズ100%の香りを気軽に味わえるチャンスなので、ぜひ一度試してほしいなと思います。
カモミールジャーマンウォーター(pH4.3~6.4)
肌へのやさしさという視点で、一番おすすめしたいのが、カモミールジャーマンウォーターです。カモミールジャーマンは、保湿力に優れていて、乾燥肌や敏感肌の人に愛用者が多いハーブです。カンジダ菌の繁殖を抑える効果があり、肌の柔軟性をうながす効果もあります。
カモミールには、ジャーマン種とローマン種があり、通常ハーブティーとして飲まれているのが、カモミールジャーマン。アロマテラピーで使われているのがカモミールローマンです。
カモミールローマンウォーターも、肌のかゆみケアなどに用いられることがあるのですが、デリケートゾーンのケアという面では、カンジダ菌の抑制効果があり、肌にやさしいジャーマンウォーターの方が向いています。
* キク科アレルギーのある方には、カモミールウォーターの使用はおすすめしません。
エッセンシャルオイルと違い、溶け込んでいるカモミールの成分濃度が低いので、「注意して使用すればよい」と書いてある本も多いのですが、他にも素晴らしいハーブウォーターが選択肢として沢山あるので、あえて「キク科」のハーブウォーターを使わなくても良いと思います。
なお、アルコールや化粧品の成分を加えたものや、人工香料で作られた液体を「ハーブウォーター」「フラワーウォーター」「ローズウォーター」という名前で販売しているメーカーもあります。デリケートゾーンを含むスキンケアに使う場合は、必ず成分を確認し、防腐剤や添加物が入っていない「芳香蒸留水100パーセント」のものを選ぶようにしましょう。防腐剤が含まれていないので、開封後は冷蔵庫で保存し、早めに使い切るようにしてください。