職場での生理痛とどう付き合う?つらいときの休み方や対策とは
「またこの日がきてしまった…」生理痛に耐えながら働くのは大変で、普段より集中もできない。毎月のこととはいえ、職場での生理痛は気が重いものですよね。
「月経関連障害、更年期障害が 働く女性の QWL に及ぼす 影響に関する調査研究」によると、働く女性のおよそ8割弱が生理痛を感じながら働いています。また、ほとんどの女性が「生理痛によって仕事の能率が下がる」状態で必死に勤務しているのです。
職場での生理痛、つらい時にはどうしたらいい?
働いている女性は、生理痛でも仕事を休まないという人がほとんど。
しかし、痛みを耐えながらする仕事は能率も悪いですし、経血を心配しながらの仕事は集中力も上がらず大変です。
職場での生理痛を少しでも軽くしたい、職場での生理痛の対処法を知りたい、そんな時には次の2つの方法を試してみてください。
生理痛対策は自分の体を知ることから!生理周期を把握しよう。
職場での生理痛と上手につきあっていく上で最も大切になるのが、自分の生理周期を把握すること。
自分の月経サイクルがわかれば、ホルモンバランスの変化から調子の良い日悪い日をある程度予測することができます。すると、「調子のいいときは、大事な仕事をいれておく。」「調子の悪い日は、いつもより仕事をセーブする。」といったスケジューリングが可能になり、仕事による生理痛のつらさを和らげることができるのです。
女性の体は、生理が終わった後から排卵日にかけての期間に最も活動的になります。一方で、排卵が終わってから生理の始まりに向かっての期間は、体と心のバランスが崩れがちに。
こういった、女性の体のしくみについての知識があることを「女性のヘルスリテラシー」といいます。このヘルスリテラシーが高い人のほうが、生理の期間に仕事のパフォーマンスが落ちづらいことがわかっているのです。
女性の体は生理周期にあわせてホルモンに波があるため、調子のいい日と悪い日の差が男性よりも出やすくなるのは仕方がないこと。体の構造上、男性と同じように毎日職場で同じパフォーマンスを出すことが難しいのです。
女性の体調には上がり下がりがあるのを理解し、自分の体調の波をできる限り知っておきましょう。仕事の無理は、体調が上がっている時にしておく!体調が下り坂のときは無理しない。これを徹底するだけで、生理中の職場での過ごし方が楽になりますよ。
鎮痛薬を上手に使って。早めに飲むのがポイントです。
「痛いけど、まだ我慢できるから…」「もう少し痛くなってきたら薬を飲もう…」
痛みが我慢できなくなる直前まで、鎮痛薬を飲まずに耐えてしまうことってありませんか?
でもそれはもったいないこと。鎮痛薬は、生理が始まってすぐに飲むのが一番効くのです。
あんまり薬に頼るのも嫌、飲み過ぎたら体に悪いのでは?という考えもありますよね。しかし、生理痛の鎮痛薬は用法用量を守れば毎月欠かさず飲んでも問題ありません。
生理痛は、子宮内膜がはがれるときに生まれる「プロスタグランジン」という痛み物質が引き起こしますが、鎮痛薬にはこの「プロスタグランジン」を抑える働きがあります。
プロスタグランジンは生理が始まると増えだすので、生理の始まりと同時に鎮痛薬を飲むのが最も効率よく痛みを抑えることができます。
痛みを堪えながら職場にいるのはつらいですし、仕事上の突発的なトラブルにも対処しづらくなってしまいますよね。生理周期の把握と早めの鎮痛薬で、無理せず体の負担を軽くしてくださいね。
生理痛がひどい時の休み方は?
生理痛があまりにもひどい時、無理に出社してもかえって職場に迷惑をかけてしまうのではという思いもありますよね。そんなときは職場を休むという選択肢がありますが、どのように休んだらいいのでしょうか?
生理痛での休みの伝え方
生理痛で休むときは、通常「有給休暇」か「生理休暇」を使用することになります。
有給休暇を使うときは、「体調不良」と上司に伝え休む人が多いようです。しかし、毎月職場に行けないほどつらい生理痛がある場合は、生理痛であることを伝えたほうが理解してもらいやすいことも。セクハラなどの問題が不安な場合は、上司への相談前に会社内の人事労務の相談窓口をチェックしておくと安心です。
生理休暇を取得する場合は、生理で休むことを上司に伝える必要があります。
生理休暇は労働基準法上「生理日の就業が著しく困難な」場合に取得できるものです。そのため、「起き上がれないほど激しい腹痛がある」「めまいがし、強い吐き気がある」等、生理痛によって勤務できない状況を具体的に伝えたほうが上司の理解が得やすいでしょう。
生理休暇とは?有給休暇とどちらを使う?
生理休暇は、労働基準法68条に明記された制度ですべての企業で行使する事ができます。
しかし生理休暇の取得率は非常に低く、平成26年に厚生労働省が発表した数値によると取得率は0.9%です。ほとんどの女性が、生理痛でも休まずに働くか、理由を問われない有給休暇を取得しています。
とはいえ、生理休暇には有給休暇にはない長所があります。職場に行けないほどの生理痛がある場合は生理休暇の取得を検討するのも一つの手です。
生理休暇の長所というのは、正社員以外も取得の権利があることと、取得日数に制限が無いことです。体調不良等が続き有給が残っていない時などに、とても助かる制度であると言えます。
生理休暇は社内規定により無給扱いなっている場合がありますので、事前に確認してみるといいでしょう。他に休める手段がないけれど、生理痛がひどいくてつらい…そんな時には無理せずに使ってみてはいかがでしょうか。
それでも生理痛で職場がつらい。無理せず婦人科へ行ってみて
薬を飲んでも起き上がれないほど生理痛が重い。毎月生理で職場を休んでしまう。そんな状態の時には、どうか無理せずに婦人科を受診してください。
強烈な痛みがある場合、子宮内膜症などの病気が潜んでいる可能性もあります。病気ではなかったとしても、医師に処方された鎮痛薬は市販のものより効き目が高いため、生理痛の改善に役立つ可能性が高いのです。
婦人科に行くことに苦手意識がある女性も少なくありませんが、女性に優しい医療機関も全国に数多く存在します。まずは問診だけで相談できるクリニックもありますよ。
我慢は禁物!自分の体を知り生理でも快適な職場ライフを
日本人は痛みを耐える国民性を持っています。しかし、無理して生理痛に耐えることで体と心に負担をかけ、思ったように働けなくなってしまうのはとてももったいないこと。
生理は女性の人生に深く関わる大切なライフサイクル。働く女性が多くなった今、職場での生理をいかに快適に過ごすかというテーマは、女性のQOLを高める上でも大切な問題です。婦人科の先生など専門家の意見も聞きながら自分の体を知り、上手に職場での生理と付き合っていきたいですね。